‘撮影秘話’ カテゴリーのアーカイブ

写らない想いから生まれる1枚/岡本範和カメラマンの撮影秘話

2015年5月6日 水曜日
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4年くらい前からフォトクリエイトで新体操の撮影をしています。お世話になっていたカメラマンさんに、新体操の撮影をやってみないかと声をかけられたことがご縁です。
最初は演じる方にある程度寄って撮っていたのですが、ユーザーさんや大会運営者の方とお話をして、全身をおさえることが喜ばれるということがわかりました。
 
新体操は、野球などのスポーツとちがって、「表現スポーツ」。
手足や指の先までの表情をも撮る必要があります。そのためには、まず、本番前の練習を見学し、最後の決めポーズまで頭に入れます。立ったままのポーズなのか、身体の状態を伏せてのポーズなのかなど。そうすることで、撮影するポジションも確実に決めることができますからね。
 
新体操は、年齢によって身体の使い方も色々あり、決めポーズもそれぞれ変わってきます。ですので、その「年齢にあった1枚」を撮りたいと考えています。また、一瞬のカットでかいま見える、演じる方ご自身の雰囲気。その雰囲気が、普段とは全く違うものを醸し出している姿を撮る事も、可能だと思っています。例えば、普段は可愛らしい雰囲気や動きの方が一瞬のカットでとても凛々しく見えたり。そういう1枚が撮れた時は嬉しいですね。
また、一昨年、今年、翌年と、年々撮っていくと、そのお写真がだんだん積み重なって成長が目に見えることもいいですね。
今年はひざが顔につくようになったなあとか。
 
私は以前、撮影技術向上の為に学校さんなどへ撮影に行っていたことがあります。そういう中でも特に注意をしていたことがあります。それは、撮影することによって「演じる方のお邪魔にならないようにすること」です。シャッター音ひとつにしても演じる方の集中力に影響してくると思います。演じる方が集中していただくことで、我々がより良いカットをたくさん撮れることにも繋がると思います。そこには、撮影した写真をご覧になった方に喜んでいただきたい、がっかりした気分になってほしくないという思いがあるからです。
 
団体戦などで、本番エリアの脇から演技を観覧しているサブの子や監督さんたちの表情にも私は注目します。本番エリアの脇の皆さんは本番のカットには決して入らないですが、本番までに、どれだけの時間を仲間と費やし練習してきたことか、私は考えます。そして、見ていると皆さんの様々な思いが表情にくっきりと表れるんですよね。本番の後、演じた皆さんと一緒に気持ちをわかちあう様子にも目がいきます。
 
撮影するにあたり私が普段の生活の中から気をつけていることがあります。それは、水分や食事のとり方です。新体操の撮影時間は2時間や3時間つづくことが多いです。ひとつの競技ゾーンに一人のカメラマンが付く場合は、その場をひとたりとも離れられませんからね。撮影当日は、トイレに行く回数が限られます。前日から食事のとり方にも気を配ったり水分を少なめにしたりしています。
そんな風にして、私は新体操の撮影をしています。これからも、皆さんの素敵な演技をたくさん撮っていきたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
 
 
(文責:石渡 素子)
 

集合写真を撮るにも工夫が必要/I.Yカメラマンの撮影秘話

2015年4月1日 水曜日
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1997年にはじまり、毎年ゴールデンウィークに開催される『ひろしまフラワーフェスティバル』。広島最大級のイベントとも言われています。私は撮影の仕事で、5年連続でこのお祭りにおじゃましています。
 パレードやステージイベントなどが5月3日から5日まで行われ、私はステージに登場する様々なチームの集合写真やスナップなどを撮影しています。
 
 チームは本当にバラエティに富んでいます。期間中100チーム近く撮っているのですが、学校主体で参加する小学生のチームや、おじいちゃん・おばあちゃんのチームまであります。人数も300人の団体があるかと思えば、10人も満たないところもあって、とても個性的です。
 
 団体の集合写真を撮影する場合、普通に集まってバシャッと撮るだけと思う人も多いかと想像します。確かにそうなんですが、カメラマンなりに工夫はしているんですよ。
 例えば、300人の大所帯チームなら全員がひな壇には乗れないので、地べたに座ってもらったり、寝転がってもらう場合もあります。苦肉の策ともいえますが、それがかえってライブ感が演出して、気取らない素の写真に仕上がるんです。
また、人数がたくさんだと「前の人の頭に重ならないようにね」と言うんですけど、全員がしっかりと顔全部を出して撮影するのは非常に難しい。顔の上半分は出ているけど、口やあごは隠れて見えてないなんてよくあること。少ない人数なら、こちらが発見できるのですが、大人数だとさすがに限界ありますね。
 
 なら、少ないグループなら簡単だろうと思うかも知れません。でも今度はカメラマンのセンスが必要なんです。例えば、10人ぐらいの小さいグループがあったとして、横一列に並べて撮影すれば顔が隠れることはない…。でも違うんです。
 写真には構図というものがあり、人をどう配置すればバランスが良いのかという問題があるんです。横一列に並べてしまっては、横長になりすぎて、上がポッカリ空いてしまいます。そうするとバランスは良くないし、寂しい写真になってしまいます。
 10人であっても、ひな壇を使って縦に2列にして撮影をします。そうすれば収まりのいい写真を撮ることができるんです。
 お祭りですから、「ポーズをとるからこれで撮影してほしい」という要望もあります。もちろん大歓迎です。元気の良いグループはこちらもテンションが上がるから楽しいです。
 これまで夕立にあったことはありますが、毎年天候には恵まれています。今年もまずは良い天気でイベントが行われることを願っております。
 
(文責:ライター金子塾 滝沢)
 

選手の立場になって/鈴木 優太カメラマンの撮影秘話

2015年3月4日 水曜日
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春の訪れはトレイルランシーズン到来でもあります。私自身、趣味でトレイルランをやっていますし、カメラマンとして大会にお邪魔することも多々ありますので、『いよいよだ!』という思いです。

今回はトレイルランの撮影についてお話ししたいと思います。

 

 撮影場所は山の中。どこで撮ろうが基本的に自由ですが、いい写真を撮ろうと思えばそれではいけません。まず、選手が木の根っこなどでつまずきやすいところはNGです。足下が悪い場所では、選手たちは下を向いて走っているので顔が分からないのです。

 下り坂も撮影には不向き。スピードが出てしまうので、選手はやっぱり目線を下にして走ってしまいます。

 木々の陰など、選手から見えづらい場所も適しません。主催者は安全確保に細心の注意を払っているとはいえ、山の中ですから何が起こるか分かりません。動物もいます。選手は危険を頭の片隅に入れながら走っているので、不意にカメラマンの姿を発見して驚かせてしまっては、彼らのリズムを乱しかねないのです。

 

 

私は撮影ポジションを決めるとき、現地に着いてからでは遅いと思っています。前日までに地図でコースを調べ、このあたりにしようと目星をつけています。そうしないと、広いコースにおいて、ベストポジションを探し出すことができません。

 さらに、当日、ポイントを決めたら、50mほど実際に走ってみることにしています。足下を確かめ、選手とカメラマンの距離間やランナーからの見通しの良さなどを確認するのです。自分も大会に出場するので、選手の立場になってカメラマンの位置をチェックするわけです。そして問題なしとなれば、カメラのセッティングを開始します。

競技中、選手が見えてきたら、『頑張れ』と声をかけます。近づいてからよりも、遠くから声をかけたほうが、選手たちに安心感を与えます。トレイルランはマラソンとは違い、かたまって走ることがほとんどありません。バラバラの状態なので、気持ちが心細くなりがち。そういう中ですから、人の声が聞こえるとありがたく感じられて、表情もニコニコするのです。

『頑張れ』の言葉の裏には、『エンジョイしてください』という気持ちがいつもあります。私自身、山を走っていると自然のエネルギーをもらえるようで楽しいです。選手たちはポジティブな気持ちで走っているとは思うのですが、中にはつらそうにしている方もいるので、ついついそんなことを念じてしまいます。

 

ここ数年は大会に出るより、撮る機会が増えています。私は山が好きなので、どちらもおもしろいです。

選手のみなさん、これからも楽しみながら走ってください。私はその姿に元気をいただいています!

(文責:ライター金子塾 滝沢)

広いゲレンデと大勢の子どもたち。全員撮るには工夫が必要/菅原カメラマンの撮影秘話

2015年2月4日 水曜日
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昨年末の12月27日、28日、子どもたちのスキー教室を撮影してきました。27日は岩手県の夏油高原、28日は同じ岩手の安比高原です。

 

 
スキー教室で気をつけていることは、参加者全員を漏れなく撮影すること。そのために私はメモ帳を携帯するようにしています。参加する子どもたちは50名を越えています。さらに初級、中級、上級に分かれてしまうので、誰を撮って、誰を撮影していないか分からなくなりがちです。シャッターを切るたびに、身につけているゼッケン番号を書き込んでいくことで、確実に全員を撮ることができるのです。
 
 でも、ゼッケンがない場合があります。ビブスは着ているのに番号が書かれていない…。そんなときは、インストラクターが名札をつけているので、その方の名前と付いている子どもたちの人数をメモして、一人ずつ撮影するようにしています。そうすれば撮り漏れを防ぐことができるわけです。
 
 メモを取りながらの撮影ですので、移動する手段としてスキーを履きますが、ストックは持ちません。カメラも望遠、広角と首に2台さげている状態ですから、ストックがあるとフットワークが重くなってしまいます。
 
 
 
子どもたちのレベルは様々です。高学年だから上手、低学年だから下手というわけではありません。高学年でも初めてスキーを滑る子もいれば、低学年でもスイスイ降りてくる子もいます。
初心者の子はスピードが出ない分、フレームに収めやすいのですが、怖がって下を向いてしまいます。これだと顔が見えないので、こちらがしゃがんだり腹這いになったりして、下から撮影するようにしています。
上級者の子は降りてくるスピードが速いので、一人単独で滑っている分にはいいのですが、複数で連なって降りてくると一度に全員を写すことは難しいです。そういう場合は、彼らも一気に下までは降りないので、途中止まったところよりも少し下まで降りいき、滑ってくるのを待ち構えて、再び撮影するようにしています。
 
 スキー教室はスキーをしているところだけを撮影するわけではありません。食事のシーンも撮ります。子どもたちが1泊するときは、部屋でくつろいでいるところやお楽しみ会なども撮影します。部屋でくつろいでいる写真を撮るときは、こちらが無言だと向こうも構えてしまうのでおしゃべりしながら撮影するようにしています。私は高校で講師をしていた経験があるので、子どもたちに話しかけるのは得意。そしてそのほうが、リラックスしたいい写真が撮れるのです。
 
 子どもたちが泊まっても、私は日帰り。そして翌日、また次の現場へと向かいます。スキー教室はシーズン中に数回ありますが、思い出に残る最高の瞬間を写真に残したいと思っています。
 これからも全力で撮り続けますので、よろしくお願いします。
 
(文責:ライター金子塾 滝沢)
 

 

音楽は音を楽しむこと。生徒たちの楽しい写真を残したい!/新井哲治カメラマンの撮影秘話

2015年1月7日 水曜日
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 フォトクリエイトでは、私は中高生たちの吹奏楽演奏会を撮影することが多いです。演奏会には2種類あり、コンテストと定期演奏会に分類することができます。

 

 コンテストとはご存じのとおり順位を決める大会で、地区、全国と繋がっていくものです。定期演奏会は保護者の方々や地域の人たちに向けて開かれる感謝祭とでも言えばいいでしょうか。この2つは明らかに別のもの。演奏者や会場の雰囲気だけでなく、撮影する我々の気持ちまでもが違ってくるのです。

 

 コンテストは「撮影場所はここ」と指定されて動くことはできません。全景写真はもちろん、個人に寄った写真も望遠レンズを駆使してそこで撮影することとなります。また、シャッター音が出ないように工夫もしなくてはいけません。「とにかく静かに」が重要なのです。この状況で出来上がる写真は緊張感のあるものが多くなります。

 

 反対に定期演奏会は自由です。楽屋裏にも入ることが可能ですし、リハーサル風景を撮影することもできます。だからといって何をしても良いとうわけではなく、こういう気軽な場所だからこそ、最初の挨拶が大切なのです。

楽屋裏へ行けば、生徒たちは一生懸命に練習をしていますから、ガサツに入っていき撮りたいものを撮るという感覚ではいけません。きちんと挨拶をして顔を覚えてもらい、「害のない人間だよ」と思ってもらう必要があるのです。

 リハーサルもありがたいことに、同じステージに上がることができます。生徒たちを間近で撮影できるとあって、気持ちが前のめりになりがち。でもそこは邪魔にならないように冷静になって撮影することを心がけています。

 

 定期演奏会はどの学校も独創的。クラシック、ポップス、演劇、ダンスなど、趣向を凝らしたものばかりで、仕事を忘れてしまうぐらい楽しいです。カメラマンがその場を楽しまないと、良い写真は撮れないという格言もありますから、素直にそうしています(笑)。

もちろん楽(たの)しむことと楽(らく)することは別なので、仕事はしっかりとさせていただいています。

 

 撮影するときの一番の注意点は、人物に寄ったときに顔だけにズームしないこと。真剣な表情はそれだけで絵になりますが、被写体は演奏しているわけです。楽器を入れないと、よく分からない写真になってしまいます。フルートやトロンボーンは口で吹くので、ある程度顔に寄ることができますが、打楽器はどうしても膝ぐらいまでが限界だと考えています。

 

 演奏会後、生徒たちのやり切った表情には感動すら覚えます。最後はロビーで来場したお客様に対して生徒たちがお礼の挨拶をし、その場で集合写真を撮影して終了となります。

 

 音楽とは音を楽しむこと。私が最も写真に残したいのは生徒たちが楽しんでいるところです。笑顔です。楽しさが伝わる写真が演奏会では最も良い写真だと思っています。

 これからも、そんな写真を残すことができるように演奏会を撮影し続けたいと思います。

 

(文責:ライター金子塾 滝沢)

 

ゲレンデで驚く子どもたちの上達スピード/中武 叡嗣(なかたけ えいじ)カメラマンの撮影秘話

2014年12月3日 水曜日
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 気がつけばもう冬ですね。フォトクリエイトで子どもたちを撮影していますが、この季節になると、スキー教室の撮影のためにゲレンデへ行く機会が増えます。
シーズン的にピッタリということで、スキー教室の撮影話をしたいと思います。
 
 子どもたちは初級、中級、上級と実力ごとにクラス分けされるのですが、彼ら全員100人ぐらいを私一人で撮影します。
 クラスが分かれれば、もちろん滑る場所も違ってきます。初級、中級クラスなら山の低いところで滑っているから移動もスムーズにいくのですが、上級となるとリフトに乗って上のほうへ行くので、参加者全員を撮影するには、こちらとしても考える必要があります。
 そこで私は、午前中は初級、中級クラス、午後は上級クラスと時間で分けて撮影しています。
 
 スキー教室なので、みんながスキーを滑っているシーンを撮ることが必要です。でも、難しい場合もあります。どんなときか…。
 例えば、トイレ休憩を境にソリや雪遊びに変更されることがあります。子どもたちの集中力ややりたいことに応じてやることを変えていくのですが、あの子のスキー姿はまだ撮っていないのになあなんて思う時には、今のこの状況で考えうる撮影をする必要があります。
 
 スキーをするときは、誰でも帽子をかぶり、ゴーグルをすると思います。顔がハッキリしないですよね。撮影するときの気をつける点として目が見える位置まで寄ったり、それが無理なら、楽しく滑っているところを狙って撮影するようにしています。
 そうしているとハッと気づくことがあります。さっきまでおぼつかなかった子が急にスムーズに滑れるようになったり、こちらに手を振りながらボーゲンで降りてきたり、上達のスピードが速いんです。子どもたちの成長力には脱帽しますね。
 
 スキー教室の撮影は天候との戦いでもあります。山の天気は本当に変わりやすくて、吹雪いていたと思ったら急に晴れたり、その連続です。カメラは光がとても大切ですから、明るさが頻繁に変わると、その度に対応します。雪の照り返しにも注意が必要です。一回撮ったら画面を見て、白く飛んでいないかを確認するのは重要事項。常に空を見て、天候の変化を予測することも大事なことです。これらの作業は、良い写真を残すための当然のことです。
 
 スキー教室は泊まりがけなので、食事中のシーン、部屋でくつろいでいるところ、お楽しみ会の様子なども撮影します。そのときの自然な笑顔はほほえましい限り。
その後、私は夜の9時くらいにスキー場を出るわけですが、車の中では仕事をやり切った充実感でいっぱいです。
 そうして1日かけて出来上がった写真は思い出たっぷり。親御さんたちにも喜んでもらえるとありがたいです。
 
いよいよスキーシーズン。子どもたちの上達の速さに驚く季節がやって来ます!
 
(文責:ライター金子塾 滝沢)
 

海の青と空の青が美しい『青島太平洋マラソン』/南部 剛カメラマンの撮影秘話

2014年11月5日 水曜日
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いよいよマラソンシーズンに突入しました。ランナーの皆さんは、どの大会に出場するかもう決まっているかと思います。

私は熊本在住のカメラマンなので九州のスポーツを撮影する機会が多いのですが、中でも『青島太平洋マラソン』は好きな大会の一つです。ジョガーの人たちからも大変人気のあるレースです。

今回は12月14日に行われる、その『青島太平洋マラソン』についてお話ししたいと思います。

この大会の人気の理由は、一つには海岸線を走るところにあると思います。海や砂浜を横目にヤシの木が続く道路を走るコースは、爽やかで気持ち良いだろうと想像します。撮影しているカメラマンでさえも爽快な気分になりますから。

海の青と空の青が地平線で交わる景色はとにかく圧巻です。晴天だと2つの青のコントラストが美しくて「地球ってすごい」なんて思ったりもします。その風景に緑色の青島を入れ込んでランナーを撮るというのが、この大会ならではのベストな構図だと思っています。

毎年、フォトクリエイトでは複数人のカメラマンがいくつかのポイントで大会を撮影しますので、今年も誰かがそのポジションにいることでしょう。毎回、相談して決めているため、いつも私がそこにいるとは限らないのですが…。

もう一つの人気の理由は、12月の大会にしては温かいという、宮崎県特有の気候があると思います。日なたに出ると少し汗ばむぐらいなので、ランナーの方々も防寒対策に気を使うことなく、走りやすそうに見えます。ちなみに私も上着は着ず、シャツだけ羽織って撮影しています。全然寒くありません。

 

快適な気温のためか、ランナーの方々もノリがいいような気がします。先頭集団は順位やタイムを競っているので、あっという間に我々の前を走り去っていきますが、大会を楽しみたいという人たちはこちらがカメラを向けると、立ち止まってウサイン・ボルトのポーズを取ったり、仲間を集めて集合写真を撮ってほしいと言ったり、ユニークなんです。コスプレする人たちも多くて、最近はくまモンのかぶり物をかぶって走る人が増えていますね。

また、下を向いて疲労困ぱいの人もレンズを向けると、顔を上げて元気に走ってくれます。そういう方には「頑張ってください!」と声掛けしたくなります。「ありがとう」と返事をしてくれると、良いコミュニケーションが取れた気がして、うれしくなりますよね。

 

何はともあれ、大会当日は晴れることを祈るばかりです。天気が良ければ、本当にすばらしい大会なんです。私は、当然ですが、晴れでも雨でも曇りでも、頑張って走るランナーの皆さんを一生懸命に撮影したいと思います。

参加されるみなさま、『青島太平洋マラソン』でぜひともお会いしましょう!

 

(文責:ライター金子塾 滝沢)

プロカメラマンの撮影秘話 牧野カメラマン

2014年10月1日 水曜日
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11月は富山県で『扇状地マラソン IN にゅうぜん』があります。もうすぐですね。今年行くことになれば、4回目の撮影となります。
今回、お話ししたいのはこのマラソン大会についてです。
私が現地に到着するのは当日の朝、6時30分ぐらい。車を駐車場に停めて、まず行うことはコースの下見です。どこで撮影すれば良い写真を撮れるか。そのポイントを探すのです。そのときに重要視しているのは二つ。
一つ目は、現地らしさが分かるところ。パッと写真を見ただけで入善町だと認識できる場所で撮影したいと思っています。山並みがきれいな地域なので、そういうビュースポットを毎回探しています。
 
二つ目は、選手一人一人を撮影できる場所であること。スタート地点から近いと、ランナーたちが密集しているので、顔が重なってしまいます。そうなると写真がうるさいので避けたいですね。
自分としては10km過ぎから残り3km付近がベスト。選手が完全にバラけるので、一人一人きちんと写すことができます。また、この間の距離は、選手たちの疲労が最も出るところでもあります。そこで頑張って走っている写真は、その人にとって一生の思い出になるのではないでしょうか。
 
コースの中で、私の好きな撮影スポットが一つあります。最後に競技場へ戻ってきて、ゲートに入ってきた瞬間のところです。選手の帰りを待っている家族がここで出迎えて、少しだけ併走するんですね。選手として走るお父さんといっしょに、奥さんやお子さんが走る光景は本当に感動的です。絶対に残してあげたいシーンです。
 
私は選手たちに声掛けをよくします。
「頑張ってくださーい」「もう少しですよー」
ランナーもカメラマンの前だと、気持ちを振り絞って走ってくれます。「ありがとう」「頑張るよ」なんて言ってくれる選手もいます。
みんな何事もないように走り去っていきます。しかし、実際は様々な思いを胸に秘めているのだと思います。この日が初レースで絶対に完走したいと思っている人。これが引退レースで感謝の気持ちを抱きながら走っている人など。
選手が背負っているものを想像すると、こちら側が手を抜くことなどできません。人生の貴重な一ページとなるベストショットを撮影して届けてあげたいですよね。
 
参加したランナーはカメラマンから元気をもらったと言って、感謝してくれます。だけど本当は逆です。私が選手から元気と勇気をいただき、素敵な写真を撮らせてもらっているのです。むしろ、ありがとうを言いたいのは私のほうなんです。
 
『扇状地マラソン IN にゅうぜん』はもう間近。すばらしい写真をまた撮らせてください。
 
(文責:ライター金子塾 滝沢)

プロカメラマンの撮影秘話 高田 健司カメラマン

2014年9月3日 水曜日
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フォトクリエイトでは小中学校の水泳大会を撮影することが多いです。陸上のスポーツとは違って、水の競技ならでは、大変なところがあります。

我々カメラマンは大抵の場合、プールの横側から写します。例えば、8コース側に陣取ると、1コースの選手を撮るのはまず無理です。遠すぎますし、水しぶきが邪魔して選手をつかまえきれません。従って、1コース側にもカメラマンを置いて、トータル4~5名で撮影することとなります。だからといって、これで万全ではなく、1カメラマンあたり2~3人の選手をマークすることになりますので、絶対的な集中力が必要となってきます。

水泳競技の写真は、水中から顔を上げている瞬間が絶好のタイミング。平泳ぎやバタフライは比較的水面から顔を出してくれるのでそうでもないのですが、自由形はやっかいです。息継ぎするときの顔がカメラと反対向きだったり、動かしている手が顔に重なったりします。しかも50mのレースだと息継ぎも少ないです。背泳ぎはバサロスタートがあって潜っている距離は長いのですが、泳いでいるときはずっと顔が見えているので自由形ほど難しくはありません。だけどこれは仕方がないことで、こちらが工夫していれば良いことです。

しかし、それ以外の不可抗力もあります。プールサイドを歩きながら泳ぎを見ている係員さんが、選手と重なるときがあるのです。これに関しては、係員さんも含めてレースの一部ですから、仕方のないことです。だからこそ、バシッと決まったときの喜びはひとしお。難しいがゆえに、やりがいを強く感じます。

カメラマンの仕事は泳ぐところを撮るだけではありません。レース後の着順やタイムが映し出された電光掲示板を写すこともします。ここで一つ注意しなくてはならないのが、選手と電光掲示板を同じカメラで撮らないということ。

競技を撮るときのカメラ設定で電光掲示板を撮ると、仕上がりが暗くてよく分からないのです。従って、静物撮影用のカメラをもう一台首にかけて撮影することになります。

実は私自身、自転車競技の元国体選手で撮られる側の人間でした。現役時代に最高の自分を残してくれたカメラマンには大変感謝しています。60歳を超えた今でもその写真を部屋に飾っています。ですので、選手時代の経験から、選手がどういう写真を撮ってほしいのか分かっているつもりです。

あと何年できるか分かりませんが、あのときの恩返しのつもりで、選手たちの最高の瞬間をこれからも撮り続けたいと思います。

(文責:ライター金子塾 滝沢)

プロカメラマンの撮影秘話 香田孝カメラマン

2014年8月6日 水曜日
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「ツール・ド・のと400」の撮影を今まで6回担当しました。このイベントは僕にとって毎年の節目とも言える重要な仕事なのです。

この大会は、総距離が400kmを超える国内最長級のサイクルレースですが、過酷な順位争いよりも、自分の体力に応じて自転車を楽しむという意味合いの方が強いです。だから僕も選手の皆さんの思い出に残る瞬間を切り取るため、積極的に声をかけて撮影しています。毎年、選手の皆さんに撮影している事を声がけするスタッフが同行しているので、気が付いている方も多いかも知れません。

能登半島の海岸線に設けられたコースはとても景色が素晴らしくて、選手の皆さんも風景を楽しみながらレースを進めていると思います。僕が出場選手だったら、こんなキレイな景色をバックにした写真が欲しいなあと思いますよ。でも選手の皆さんは、シャッターを切る瞬間に、自分がどんな景色の中にいるのかは分からないですよね。そこがプロの腕の見せどころだと僕は思うのです。

このレースは能登半島の海岸線が舞台といっても、背景が海ばかりではなく、僕は細かくカメラポジションを変えながら撮影するんです。背景が海だったり山だったり、中には集団の中で必死にペダルをこいでいる様子を撮ったり、とにかく写真のバリエーションを多く提供するのがプロの仕事ではないでしょうか。

 

 

僕が選手の皆さんに声をかけながら撮影するのは、視線を向けてもらい、自慢のポーズを見せてもらいたいのはもちろんですが、実はもう一つ、大きな理由があるということをご存じですか。それは、“事故の予防”なのです。

参加選手の方の中にはカメラを向けると反応してくれる人も多いのですが、急にカメラに気づいて転倒するとか、カメラに近づこうとして後続の選手に接触するなどの事故は、避けなければいけないんです。そういうことを起こさないためにも僕は、選手の方が見えれば手を振りますし、遠くからでも声をかけるようにして、できるだけ目立とうともします。やはり選手の皆さんには完走してもらいたいし、楽しい思い出を持ってゴールして欲しいですからね。

 

次回この大会の撮影をする機会があれば、初日はスタートから約40kmの滝港(たきこう)付近で撮影したいと思っています。この辺りは急激な上り坂が始まる地点なので、毎年選手の皆さんの様々な表情が撮れます。その時は、もし僕に気づいたら、声をかけて下さいね。

(文責:ライター金子塾 三浦)