‘撮影秘話’ カテゴリーのアーカイブ

プロカメラマンの撮影秘話 武宮カメラマン

2014年7月2日 水曜日
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今回は、トライアスロンの撮影で活躍している、武宮カメラマンにお話をうかがいました。

私はここ数年、夏になるとトライアスロンの撮影を担当することがあります。この競技はスイムから始めてバイク、ランと3つの種目を連続で行います。それだけに、魅力的な部分も随所にあるのですが、私が一番好きなのはトランジット(種目と種目の間の切り替えのタイミング)なんです。

特にスイムからバイクへのトランジットにはドラマが感じられるので、一番興奮しますよ。トライアスロンの撮影では3人ぐらいのカメラマンが手分けして撮影するのですが、希望を聞かれた時には、私はこのポジションを希望していますね。

海から上がってゴーグルを外した時に“やった”という表情をする選手もいれば、思うようなタイムが出せなくて戸惑いの表情を浮かべている選手もいます。自転車がズラッと並んでいる間を選手が駆け抜けて行く場面では、様々な表情に出会えて本当に面白いですね。競技中とは違った“わび、さび”のある写真が撮れるのもいいですよ。

この間に落ち着こうとしている選手もいますし、トランジットは決して休憩タイムではなく、むしろ作戦を練り直すための重要な時間だと私は考えているんです。

私がスイムからバイクへのトランジットに魅力を感じるのには実はもう一つ理由があります。それは、スイムを終えた選手の体から滴り落ちる水滴に何とも言えない迫力を感じるからなんです。この場面でフラッシュを使って撮影すると輪郭がシャープに見えるし、水滴が浮かび上がる感じに仕上がって臨場感が出るんです。

速いシャッタースピードの撮影でフラッシュを使うのは、写真の技術論から言えば常識外れなのかも知れません。でも私は、理論云々よりも臨場感溢れる写真をお客さまに提供することの方が大事だと思うんです。お客さまに喜んでもらえる写真を数多く提供するのが、私の仕事ですからね。

この“フラッシュ作戦”が、一味違う写真に仕上げるための私の隠し味です。他のカメラマンの方たちも何かしら秘技を持っていると思いますよ。

 

最後に、私はトライアスロンという競技は、ランが終わった後にも重要な種目が残っていると思っています。レースでクタクタになった後にマイカーで家路に着く選手も多いと思いますが、無事に帰宅してこそ、この日のレースを完走したことになると思っています。

次のレースにベストコンディションで出場するためにも、家に着くまでが競技だと思って安全運転で帰って欲しいですね。

(文責:ライター金子塾 三浦)

プロカメラマンの撮影秘話 佐藤カメラマン

2014年6月4日 水曜日
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今回は、体操や新体操の撮影を中心に活躍している、佐藤カメラマンにお話をうかがいました。

 

私が写真っていいなと思ったのは、小学生の時です。友達のお父さんが野球の試合撮ってくれて、自分のプレーしている姿を客観的に見られたのがすごく印象的だったのです。

 

大学卒業後はフリーの広告カメラマンのアシスタントをして現場経験をつんだのですが、他のジャンルにも興味が芽生え、5年前に独立しました。フォトクリエイトさんと出会ったのは、その2年後でした。

面接の時に、バレエの写真も撮っていると話したこともあって、最初に依頼を頂いたのはバレエの撮影でした。その流れでフラダンスやフラメンコ、ヒップホップなどの舞台写真を多く任せていただけるようにもなりました。

体操や新体操の案件を依頼してもらえるようになったのは2年ぐらい前からで、文化的な案件からスポーツの分野へとジャンルが広がったという意味で、とても嬉しかったです。

体操競技の写真で意識している事の一つは、選手の激しい動きを追いつつ体操器具もフレームに入れて写真を撮ることです。そのためには、選手の動きを把握しておくことも大事なので、可能な限り事前練習を見るようにしています。

大抵の場合、撮影エリアが制限されますが、その中でもなるべくシンプルな背景になるように、可能な限りいろんな角度からチェックします。いくらポーズが完璧に決まっていても、背景がうるさく目立つともったいないですし。

 

最近はアマチュアの方でも高価なプロ仕様のカメラやレンズを持っていますが、同じ機材、同じ撮影ポジションで撮ったとしても、プロ品質の体操競技の写真を撮るのは至難の業だと思います。動きの激しくない演技であれば大きな差はつかないかも知れませんが、レベルの高い競技会になると選手の動きが格段に速くなるので、フレームの中に選手をキッチリ入れ込むのさえ難しくなると思います。

シャッタースピードを1000分の1にするとか、そう言った単純な作業で撮れれば良いですが、選手の動きに目がついていけなくては、その時点で終わりです。

もう一回やってください、とは言えませんからね。

 

では、どうすればプロ品質の写真が撮れるようになるのか。それはおそらく経験です。私は、写真は撮れば撮るほど上手くなると思っています。フリーカメラマンなので、失敗すれば後がないという思いがあり、常に研究の日々です。トップ選手の競技でも経験から、こう来たらこう撮ろうというイメージがあるので、激しい動きでも対応出来るのです。

その経験をひたすら積み重ねる事ができるのは、プロとして“写真で生きていく”という覚悟があるからだと私は思っています。

 

 

(文責:ライター金子塾 三浦)

プロカメラマンの撮影秘話 向原 純一カメラマン

2014年5月7日 水曜日
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フォトクリエイトで写真を撮り始めたのは、今から2年ぐらい前です。知り合いの紹介で、面接を受けさせていただいたのがきっかけでした。それまでは物撮り(静物対象撮影)の仕事が中心だったのですが、「そろそろ別のジャンルにも挑戦したい」と考えていた頃だったんです。今までとは違って「人」を撮影するチャンスを貰えたのは、自分にとって大きな転機になったと思います。

スポーツの現場では毎回新しい発見があるので、どんな種目の撮影でもやりがいを感じます。最近は空手を依頼されることが多いような気がします。

カメラマンの立場から言うと、空手は被写体として非常に魅力的な競技だと思っています。近くで撮影していると、選手がかもし出す「気」がファインダー越しにビンビン伝わってくるんですよ。

 

選手が肉体と精神を総動員して表現する「輝く一瞬」をどう切り取るかがボクたちの腕の見せ所です。そんなシャッターチャンス満載の現場に立ち会えるなんて、カメラマン冥利に尽きると言えますね。

 

そうは言っても、被写体の魅力を全て写真に落とし込むのは本当に難しいんです。表情をキッチリ抑えるという販売写真の基本的な構図は経験を積めば身につきます。しかし、それだけではダメだと、ボクは思っているんです。

 

例えば子供たちの空手の場合、思わずシャッターを切りたくなるような子は、去年も一昨年も同じ大会に出場しているケースが多いんです。何年も連続で同じような写真を提供してもつまらないし、それでは売れないんですよ。

 

定番の写真をキチンと抑えながら、色やサイズにバリエーションをつけた写真にもチャレンジするとなると、休む間もなくシャッターを切る感じになりますから肉体的にはキツイですよ。実際、瞳孔が開きっぱなしになって、涙が枯れてくるなんてことも度々です。

でも撮影を任されるということは、ある意味カメラマンにとっても晴れ舞台。長時間の撮影になっても、集中力を切らすわけにはいかないんですよ。

 

スポーツの写真を撮るに当たって、バリエーションをつけるのと同じくらい重要なのは事前準備ではないでしょうか。本番では何が起こるか分かりませんから、できる限り会場の下見もやりますし、前回大会の写真も必ずチェックします。

それと、撮影する種目の専門誌を買って、選手が一番カッコよく見える角度やポーズの研究も、今では前日のルーティンワークになっていますね。

 

限られた時間の中で、これだけの準備をこなすのは結構ハードですが、ここまでやって本番に臨むのがプロカメラマンとしてのボクの矜持なんです。これは、ボクの撮った写真を多くの方に購入していただきたいというよりは、“こんなのもあるんだ!”と喜んで欲しいという思いの方が強いかも知れませんね。

 

(文責:ライター金子塾 三浦)

 

プロカメラマンの撮影秘話 Kカメラマン

2014年4月2日 水曜日
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先日、「熊本城マラソン2014」の撮影を担当しました。

このイベントの開催は今年で3回目になるのですが、私が熊本県の出身ということもあって、2012年の第1回大会の開催前から興味を持っていたんです。

撮影をフォトクリエイトが担当することはオフィシャルホームページに掲載されていたので、正月に帰省した際に撮影ポイントの下調べを自発的にやってみました。実際のコースを3時間ぐらいかけて車で流してみたのですが、その時は地元に誕生するイベントを何としても成功させたいという思いだけでしたね。

 

熊本城マラソンに出場するランナーたちは、どんな背景の写真が欲しいんだろうと考えながら、この大会特有の景色が撮れるポイントをチェックしてレポートを作成したんです。確か10カ所ぐらいの撮影ポイントを提案させていただいたと記憶していますが、フォトクリエイトの担当の方が私のレポートを全面的に採用してくれて、非常に意気に感じたのを覚えています。

撮影を担当する他のカメラマンの方にもレポートを渡したいと言われた時には、少し恥ずかしかったですけどね(笑)。

私は2012年の第1回から3回連続でJR川尻駅付近で撮影しました。この辺りは昔ながらの風情ある街並みが今でも残っていて、ノスタルジックな雰囲気の写真が撮れるんです。印象的な酒蔵をバックに「火の国」を駆け抜ける写真、私が出場者なら絶対に手元に残したいと思いますよ。

今回は天候に恵まれたこともあって、3回目にして初めて納得の写真が撮れたのですが、それも前回までのノウハウの蓄積があったからなんです。実際に撮影してみて分かったのですが、スタートから16キロぐらいの地点になるJR川尻駅では、まだランナーたちにも余力があるせいか集団がバラけていなくて、素晴らしい景色を写真に落とし込むことはできませんでした。

だから昨年の第2回大会では広角レンズを使用しました。熊本城マラソンならではの景色とランナーを融合させた写真を撮ることはできたのですが、さらにランナーの最高の表情も残してあげられたらなあという思いが残りました。

そこで今回はランナーに積極的に声をかけてカメラに視線を向けてもらうことを意識しました。“絶景プラス笑顔”。今回は自信を持って提供できる写真が数多く撮れましたね。

 

最近では家電量販店でプロ仕様のカメラやレンズが簡単に購入できるので、機材的にはプロとアマチュアの差は無くなっています。そうなると、“さすが、プロ”という写真を撮るには、完璧な準備とプロとしてのプライドが大事になると思うんです。

では、プロとは何なのか・・・私も職業として写真を撮って結構経つのですが、今でもプロの定義が分からないんです。カメラマンには資格試験がないので、質の高い写真を撮り続けなければ、アマチュアとの垣根なんてありません。

 

プロの定義とは何なのか・・・。常に危機感を持ちながら、その答えを模索している毎日です。

 

文責:ライター金子塾 三浦

 

プロカメラマンの撮影秘話 小林カメラマン

2014年3月5日 水曜日
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1月12日に「谷川真理ハーフマラソン」の撮影を担当しました。1月にしては寒さもそれ程ではなくて、絶好のマラソン日和でした。ゴールまであと200メートルの地点が私の撮影ポイントだったのですが、今回は同じポジションにもうひとりカメラマンがいたので、私は少し離れた地点でランナーたちを横から狙うことにしたんです。

横から撮影すると、ランナー自体はどうしても小さく写ってしまうのですが、そのかわり、後ろの風景がよく分かるような写真が撮れるんです。事実、東京と埼玉の境を流れる荒川の土手を走るコースなので、川沿いの、のどかな景色もあれば、遠くには高層ビル群も見えるという、特徴的な構図の写真に仕上がりました。

シャッターを切る時には、あとから写真を眺めた時に“こんなコースを走っていたんだ”ということを思い返してもらえたら嬉しいなぁなんて。

 

私はマラソンの写真を撮るようになって6年が経つのですが、当初はランナーに声をかけながら撮影するというスタイルではなく、道端の小石になりきって、ランナーのありのままの姿を撮影する方が良いと思っていました。雑誌やポスターで見かけるような、広い景色の中にランナーがぽつんと小さく写っている方がストーリー性が感じられるし、訴えかけるものがきっとある、と。

でも撮影を重ねるうちに、「それが全てではない」と思うようになってきたんです。ひと口にいい写真と言っても、意味合いは一つじゃない。競技マラソンの撮影では“小石”でいいかも知れませんが、市民マラソンにエントリーしているランナーたちの目的は、ベストタイムを更新することばかりではないんですよね。純粋に走ることを楽しみたいから出場している人たちも多いんです。だったら私も販売写真のカメラマンとして、ランナーたちの笑顔をバンバン撮ろうと考えるようになりました。

 

これは最近気づいたことなのですが、カメラマンの声かけは、ランナーにとってカンフル剤の効果があるようなんです。リタイア寸前に見えたランナーが急に走りだしたり、うつろだった表情がファインダー越しに一変したり・・・

「がんばれっ!」

「こっちに笑顔ください!」

我々カメラマンには声をかけることぐらいしかできませんが、ランナーたちのいい表情を数多く提供するためにも、これからもドンドン声をかけていきたい、そう思っています。

(文責:ライター金子塾 三浦)

プロカメラマンの撮影秘話 岡沢カメラマン

2014年2月5日 水曜日
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私はスポーツを撮っているのではなく、“人間”を撮影しています。

昭和48年の夏の甲子園がスポーツカメラマンとしての第一歩でした。その後も早実の荒木大輔、PL学園の桑田・清原、星陵の松井秀喜、横浜の松坂大輔など、きら星のごとく輝くスターたちを撮影してきました。しかし、彼らのプレーを撮ってきたかというとそうではありません。人物そのものをフレームに収めてきたという気持ちのほうが断然強いです。

 

私はそのときそのときで見せる人間の表情が好きです。例えば、星陵高校時代の松井君が5打席連続敬遠されたことがありました。社会現象にもなりましたね。そのとき私は、1200mmの巨大な望遠レンズを覗きながら彼の表情だけを写していました。

1打席目から4打席目までは、ほとんど表情は変わりませんでした。しかし、5打席目でフォアボールになったとき、一瞬だけ「悔しい」という顔をしたんです。当時18歳だった彼の無念の表情は今でも印象に残っています。しかしその後に、黙って一塁へ向かう姿はまるで紳士を見ているようでした。

 

私にとって“人間”を撮影するのに必要なのが1200mmの望遠レンズです。昔は18kgもありました。今は進化して7~8kgぐらいまで軽くなりました。それでもずっしり重いです。これで外野席から覗くと、人の姿は完全にアップです。

裸眼では景色が広がって見えますが、カメラの中はその人だけ。背景もぼけているので、浮き上がって見えます。プロだろうが、アマチュアだろうが、そこではその人だけがスター。私は真剣勝負に挑むその姿に感動するのです。ただ、大きい望遠レンズをコントロールするのは非常に難しいです。ちょっと角度を変えるだけで、被写体はフレームから大きく外れてしまいます。他のカメラマンからは「よくやりますね」と呆れられますが、これでないと納得できる写真が撮れないんです。

 

甲子園を撮影するのは自分の生き甲斐です。だけど一般のスポーツを撮影するのもまた好きです。特に子供はおもしろい。よく幼稚園のサッカーを撮影するんですが、手でボールを操っているのかと思うぐらい上手な園児が多い。正直、驚きます。子供は、無邪気によく話しかけてきます。そういうときの彼らの表情は純粋にかわいいですよね。

現在、私は68歳ですが、写真を撮りたいと思う気持ちは若いときと変わりません。私よりも年上のカメラマンも現役でやっているので負けたくありません。

死ぬまで一生カメラマン。まだまだ私の“人間”撮影は続いていくのです。

(文責:ライター金子塾 滝沢)

プロカメラマンの撮影秘話 新田カメラマン

2014年1月15日 水曜日
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フォトクリエイトでお仕事をさせていただくようになったのは、5~6年前からだったと思います。当時はいろいろと忙しかったので、スクールフォトを3回ぐらい撮っただけで、しばらく時間が空いてしまいました。その間も様々なジャンルの写真を撮っていたのですが、つくづく自分は器用貧乏だなぁと思って・・・。何でも普通に撮れちゃうけど、飛び抜けて得意なジャンルもない。そんな自分が嫌で、一念発起し、2年前にバレエを“習い”始めてみました。

この先長く撮影の仕事を続けていくためには、得意なジャンルは絶対に必要ですからね。元々キレイなものを見るのが好きでしたし、いい写真を撮るには演者の気持ちになるのが一番の近道だとも考えましたね。

 

結論から言うと、バレエを始めた効果は大きかったと思います。自分の経験からダンサーが次にどんなポーズをとるかも分かるようになりましたから。これならやれるという自信もついたのでフォトクリエイトのオフィスを訪ねて、“舞台の写真を撮らせて欲しい”って、直談判したんです。幸運にもバレエの撮影をいくつか任せてもらえて、最近は本当に毎日が充実している気がします。

 

バレエの写真を撮る時に意識しているのは、“押し負けない”ことです。ステージものは、やり直しがきかない一発勝負なので、撮り漏らさないようにジャストのタイミングの前から連写するのが一番セーフティなんですが、私はフィルムの頃からこの業界にいるので、無駄打ちをする感覚がどうしてもダメなんです。

今はデジタルカメラの時代ですから、多めに撮っておいて、よくない写真は消去すればいいのかも知れませんが、そんな心構えで撮影に臨んでいたら全体的にゆるいイメージの写真しか撮れません。

 

バレエの写真を撮る場合、3人~4人でチームを組んで撮影に当たります。私はステージの前でダンサーの寄りを狙うことが多いのですが、自分でもバレエをやっていることもあって、どうしても熱くなってしまうんです。そんな時は客席後方から全体を撮影しているチーフカメラマンが、“自由に撮っていいよ”と声をかけてくれるので、本当に助かっています。

経験豊富な先輩のフォローがあるから、ギリギリまで寄った写真を安心して狙うことができるんでしょうね。こんなにやりやすい環境で撮影をさせてもらえるなんて、非常に有り難いことですよ。今度は、思い切って鎖骨のラインがキレイに見えるぐらいまで寄った写真を撮ってみたいと思っています。

 

(文責:ライター金子塾 三浦)

プロカメラマンの撮影秘話 I・Mカメラマン

2013年12月4日 水曜日
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フォトクリエイトで吹奏楽の撮影を担当するようになったのは、5年くらい前からです。それまでは撮影スタジオに所属していて、主に物撮りをメインにしていたのですが、外へ出てもっと幅広く撮影したいと思って独立しました。最初の頃はスクールフォトやチアダンスの写真も撮っていたのですが、徐々に吹奏楽の割合が増えていって、今では得意なジャンルのひとつになりました。

吹奏楽の撮影って、スポーツと違って被写体があまり動きませんよね。全体を見ながら落ち着いてシャッターを切れるという点では、スタジオに所属していた頃の経験が生きているのではないかと感じています。

当日は3人から4人でチームを組んで撮影に当たるので、経験豊富な先輩カメラマンにいろいろと教えてもらうことも多いんです。現場を重ねているうちに、吹奏楽の写真を撮るスキルが上がっていったのかも知れませんね。

 

吹奏楽の撮影で重要なのは、全員が揃って音を出している瞬間を確実に押さえることだと思っています。全員が演奏している場面は、曲の中でも一番盛り上がる部分ですし、演奏者たちの表情もひと際映えます。クライマックスの全景写真を撮る時には、「絶対にミスは許されない」、と肝に銘じ、シャッターを切っています。

それと、一人ひとりが音を奏でている瞬間のアップも、是非とも写真に残してあげたいと思っています。音を出している時とそうでない時では明らかに表情が違いますから。ただ、音を出す時間の短い楽器を担当している方を狙う場合、シャッターチャンスが限られてくるので、毎回緊張しているのも事実です。

演奏している人は本番中の自分を客観的に見ることができないので、後に写真で自分の姿を見た時に、感動できるような写真を撮ってあげたい。記憶の中に残っている自分だけの名シーンを形に残してあげたい、と思いながらファインダーを覗いています。

これは吹奏楽以外の撮影でも意識していることなのですが、私は私にしか撮れない写真を撮りたいと思っているんです。具合的には、“喜怒哀楽”が溢れていて、人間らしい感情が伝わるシーンを写真という形で切り取りたいということです。吹奏楽でいうと、自分が音を出すタイミングをじっと待っている人が、“来たっ!”という表情をした瞬間ですね。表情を見れば感情が爆発したことがハッキリと分かりますから。

今はまだ探り探りですが、1日も早く演奏者の感情に私の感情をシンクロさせられるようになりたいと思っています。

(文責:ライター金子塾 三浦)

プロカメラマンの撮影秘話 駒ヶ嶺カメラマン

2013年11月6日 水曜日
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フォトクリエイトのカメラマンになって、もう7年が経ちました。契約当初から様々なジャンルを撮影させてもらっていますが、最近はマラソンの仕事が割合としては多いですね。

マラソンの場合、何人ものカメラマンが各ポイントに分かれて写真を撮るのですが、僕は、ここ何年かはランナーがゴールに入る瞬間を、“狙う”ポジションを任されています。長い距離を走ってきたランナーにとって、ゴールは集大成の場所ですし、一番思い入れのあるシーンになるわけです。道中であればシャッターチャンスは何度もありますけど、ゴールシーンを撮影するチャンスは1度しかない。そんな大事な瞬間を絶対に撮り漏らすわけにはいかないです。

販売写真ということで考えても、ゴールした瞬間の写真が欲しいというランナーはやっぱり多いんです。そんな、ランナーの期待に応えてこそプロフェッショナル。そのような気持ちで毎回、シャッターを切っています。

 

ゴールの瞬間を写真に収めていて、「みなさん、本当に素晴らしい表情をしてくれるなぁ」、といつも感じています。ゴールできた達成感や充実感が表情に表れている人もいれば、自分で設定したタイムに届かなかった悔しさをにじませている人もいます。また、恋人と手をつないで同時にゴールするランナーたちもいて、そんな大事な瞬間となったら、こちらも失敗は許されません。

最近マラソンの現場が多いからなのかも知れませんが、僕はファインダーに飛び込んでくるランナーを無条件に好きになってしまうんです。だからこそ、ファインダーを駆け抜けるランナーの、「一番輝いている瞬間」を写真に残してあげたくなる。実際、被写体とファインダー越しに心が通じ合えたと感じた時には、いい写真が撮れている気がします。

 

実は僕も少し走る人間なので、ランナーたちが写真に求めるものって、一にも二にも表情だということがわかります。自分のランニングフォームをチェックしたいという人も中にはいますが、やはり求められるのは、その瞬間に何を考えていたかが分かる写真です。しんどい時にはしんどい表情、楽しい時には楽しい表情が見てとれる写真が求められるんです。

時間が経ってから何度も繰り返し眺めて楽しめるのが写真の特徴ですし、後で見た時に、写真が記録したその表情から当時の記憶が鮮明によみがえるのがいい写真なんだと思います。そういう意味で言えば、落ち込んだ時に僕の撮った写真を見て元気を取り戻してくれる人がいてくれたら嬉しいですよね。

これからも、ランナーたちに満足してもらえる写真を一枚でも多く提供できるように頑張ります。ただ、ラッシュ時となると、どうしても撮り漏れが生じてしまうのも事実。その点は、本当に申し訳ないと思っています。その点は、精進していきたいですね。

(文責:ライター金子塾 三浦)

プロカメラマンの撮影秘話 山下カメラマン

2013年10月2日 水曜日
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写真というものは、見た人に勇気や元気を与える存在であって欲しいと思っています。10年、20年経ってから見ても、当時の記憶が鮮明に蘇って、再びやる気がみなぎるような写真を撮りたいと僕は思っています。

こんなことを考えながら撮影しているのには理由があるんです。もう25年も前の話になるのですが、僕は大学生の時にアメリカン・フットボール部に所属していました。それ程強いチームではなかったけれど、自分としては青春の全てを賭けて取り組んだと自負しています。今でも当時の写真を宝物にしていて、落ち込んだ時に見ると、毎回、“よし、頑張ろう!”という気持ちになるんですよ。

こんな思いを多くの人に味わってもらいたくて、僕はシャッターを切っているのかもしれませんね。

                                     [2013西日本ジュニア体操競技選手権大会]   

最近は、体操や新体操を担当することが多いのですが、このジャンルの撮影は非常に難しいんですよ。“今だっ!”と思ってからシャッターを切ったのではタイミングが遅いんです。選手が次にどんな動きをするか予想してシャッターを切らないと間に合わない。演技に精通していないと良い写真は撮れないんです。そうは言ってもこのジャンルでは前日練習などを撮影することはできないので、僕は過去の大会の写真を閲覧して本番のイメージを掴むようにしています。選手たちは、一連の演技の中で何箇所か見せ場を用意しているので、それが掴めれば良い写真を撮ることができると思うんです。

体中の神経が張り詰めているような写真はキレイに見えますし、その場面が選手たちの見せ場ですよね。我々プロは、その瞬間を撮り漏らすなんてことは絶対に許されない。プロには選手やそのご家族が望む写真を提供する責任があると僕は思っています。

 

今はプロ仕様のカメラも量販店で簡単に手に入るので、機材的にはプロとアマチュアの垣根は無くなっています。アマチュアは納得いく写真が何枚か撮れればその日の撮影は成功なのでしょうが、プロは、最高の瞬間を切り取った写真を待ち望んでいる全ての人たちのために、失敗は許されない。

販売価格以上の価値がつまった写真を撮り続けられるのがプロなんですよ。

ジュニアの選手を撮影している時に、手足がピンと伸びていてキレイだなあと思うことが度々あります。そんな選手たちが大人になった時に僕の撮った写真を見て、“あの頃は、こんなに頑張っていたんだなあ・・・”と思ってくれたら嬉しいし、“よし、頑張ろう”という気持ちになってくれたらカメラマン冥利に尽きますね。

(文責:ライター金子塾 三浦)