勝利の味

2013年5月8日 水曜日
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旭小学校サッカークラブの点取り屋、高橋悠選手の生活はサッカー中心に回っている。そんな悠君がサッカーを始めたきっかけは、単なる偶然というのだから人間の運命は分からないものである。

「5歳の時にFC東京のサッカークリニックに参加できることになったんです。本当は4歳上の兄が参加する予定だったのですが」

父親の稔さんは、当時のことを懐かしそうに振り返る。きっかけはどうであれ、この日以来悠君はサッカーの魅力に完全にとりつかれてしまったのである。

 

小学校に入学すると、FC東京の週に1度の練習だけではもの足りなくなった悠君は、2年生の時に旭小学校のサッカークラブにも入部する。入部当初の彼に与えられたポジションは右サイドバック。体は小さかったものの、足の速さは群を抜いているという悠君の特徴から判断された結果だということは想像に難くない。

しかしながら、負けず嫌いな性格で、とにかくフォワードをやりたいと思っている悠君からすれば納得できない決定だったかもしれない。コーチに対して、自分の希望を主張することは考えなかったのだろうか・・・。

「それはなかったと思います。サッカーは団体競技なので、みんなが勝手なことを言い出したらチームがまとまらなくなりますから

稔さんから見てもいじらしく見えたという当時の悠君は、決められたポジションで懸命にチームを鼓舞し続けた。彼のプレーがゴールに直結することは少なかったが、この時期に真摯にサッカーと向き合ったことが後に功を奏すこととなる。彼が4年生になった2012年の夏合宿から、チームは大きく方針を転換。悠君にもチャンスが与えられることになったのだ。

「チームが全く勝てないというのもあって、悠もフォワードに挑戦させてもらえることになったんです。一直線にゴールに向かっていく姿勢が評価されたんだと思います

 

この日以来、悠君は変わった。稔さんから見ても相当キツイ日程にもかかわらず、弱音を吐かずにサッカーに取り組んだ。目標は11月に開催される世田谷区民大会。旭小の新フォワードは、休むことなくストライカーの嗅覚を研ぎ澄ますことに集中した。

迎えた大会当日。悠君は縦横無尽にピッチを駈け廻り、ゴールを狙った。相手に1点を先制されても、ここまで努力してきた自分を信じてボールを追った。そして・・・。遂にその時が訪れた。悠君の右足から放たれたボールがキレイな放物線を描いてゴールへと吸い込まれたのだ。この後、試合は同点のまま終了し、PK戦の結果、旭小は公式戦初勝利を挙げた。

今回の試合で、悠は勝つ喜びを知ったようです。勝てば、応援に来てくれた人たちも喜んでくれることも分かったようですし、これからドンドン勝って欲しいですね」

次に公式戦が行われるのは3月。次はPK勝ちではなく圧勝を目指して、今日も悠君はボールを追い続けている。

(文責:ライター金子塾 三浦)

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