“完して走る”ことが本当の完走だ!

2013年6月19日 水曜日
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 過去4回のフルマラソンは途中で歩くことがあり、完走はしたものの“完して走る”という意味において、実現できたとは言えなかった。

「周囲から『凄い』と言われるのですが、何だか嘘をついている気がして自信を持って『完走した』と言うことができませんでした

 そう語る丸田秀之さんは、超がつくほどの実直な市民ランナーだ。

 

 今回5度目の挑戦となった2012いびがわマラソン』。フルマラソンは年に一度、この大会だけに絞っている。

 

 当日は雨だった。走る気力をそぐような11月のザンザン降りが顔を直撃し、冷雨か汗か分からない水気が体中にまとわりつく過酷なレースとなった

「雨を嘆いても仕方ないですからね。その中を走るのは大変ですが、チャレンジし甲斐はあるだろうと気持ちを切り換えてレースに臨みました。イメージは滝行でしょうか(笑)」

 

 このポジティブな気持ちは、悪天候をも味方につける要因となる。

「走っているとどんどん体温が上がるじゃないですか。雨でうまくクールダウンできましたね。歩くと体が冷えるので、走り続けなくてはいけないという気持ちの引き締めにもなりました

 降りしきる雨の中、丸田さんは何人ものランナーが歩いたり、ガードレールに捕まって筋肉を伸ばしている光景を目にした。そのとき、昨年までの自分がフラッシュバックのように蘇ったという。

「今まで私は走っている人たちから、こんなつらそうに見られていたんだと実感しましたね。もう以前の自分に戻りたくないと思いながら、彼らの横を通り過ぎました」


 

 しかしマラソンは自分との戦い。時折、弱い自分が顔を覗かせる。

「そこまで無理しなくても良いじゃないか、翌日の仕事に支障が出るのではないか。そう思えてくるときがありました。その誘惑に屈して歩いてしまったら、その時点で私のマラソンは終わり。それだけは絶対に嫌だと思って走り続けました」

 弱気になる丸田さんを鼓舞したものは他にもあった。参加者に配られるパンフレットだ。

「その中に子どもたちからのメッセージが載っているんです。『大きくなったら走ってみたい』『走っている姿を見て頑張ろうと思った』など、ジーンときますよね。そういうことを思い出しながら走ったりもしました」

 

 歩くことなくフィニッシュラインを越えたとき、“完して走る”を実現できたとき、今まで経験したことのない達成感を得ることができた。

求めていたのはこれだと思った。

 

 完走した丸田さんには、もう次なる目標がある。『第2回飛騨高山ウルトラマラソン』だ。昨年は途中リタイアだった。

「今年は地面を這ってでも100km先のゴールにたどり着きたいです」

レースのある6月に向けて、丸田さんは今から気持ちを高めている!

(文責:ライター金子塾 滝沢)

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