プロカメラマンの撮影秘話 香田孝カメラマン

2014年8月6日 水曜日
Share on Facebook

「ツール・ド・のと400」の撮影を今まで6回担当しました。このイベントは僕にとって毎年の節目とも言える重要な仕事なのです。

この大会は、総距離が400kmを超える国内最長級のサイクルレースですが、過酷な順位争いよりも、自分の体力に応じて自転車を楽しむという意味合いの方が強いです。だから僕も選手の皆さんの思い出に残る瞬間を切り取るため、積極的に声をかけて撮影しています。毎年、選手の皆さんに撮影している事を声がけするスタッフが同行しているので、気が付いている方も多いかも知れません。

能登半島の海岸線に設けられたコースはとても景色が素晴らしくて、選手の皆さんも風景を楽しみながらレースを進めていると思います。僕が出場選手だったら、こんなキレイな景色をバックにした写真が欲しいなあと思いますよ。でも選手の皆さんは、シャッターを切る瞬間に、自分がどんな景色の中にいるのかは分からないですよね。そこがプロの腕の見せどころだと僕は思うのです。

このレースは能登半島の海岸線が舞台といっても、背景が海ばかりではなく、僕は細かくカメラポジションを変えながら撮影するんです。背景が海だったり山だったり、中には集団の中で必死にペダルをこいでいる様子を撮ったり、とにかく写真のバリエーションを多く提供するのがプロの仕事ではないでしょうか。

 

 

僕が選手の皆さんに声をかけながら撮影するのは、視線を向けてもらい、自慢のポーズを見せてもらいたいのはもちろんですが、実はもう一つ、大きな理由があるということをご存じですか。それは、“事故の予防”なのです。

参加選手の方の中にはカメラを向けると反応してくれる人も多いのですが、急にカメラに気づいて転倒するとか、カメラに近づこうとして後続の選手に接触するなどの事故は、避けなければいけないんです。そういうことを起こさないためにも僕は、選手の方が見えれば手を振りますし、遠くからでも声をかけるようにして、できるだけ目立とうともします。やはり選手の皆さんには完走してもらいたいし、楽しい思い出を持ってゴールして欲しいですからね。

 

次回この大会の撮影をする機会があれば、初日はスタートから約40kmの滝港(たきこう)付近で撮影したいと思っています。この辺りは急激な上り坂が始まる地点なので、毎年選手の皆さんの様々な表情が撮れます。その時は、もし僕に気づいたら、声をかけて下さいね。

(文責:ライター金子塾 三浦)

 

 

 

 

 

 

コメントは受け付けていません。