プロカメラマンの撮影秘話 高田 健司カメラマン

2014年9月3日 水曜日
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フォトクリエイトでは小中学校の水泳大会を撮影することが多いです。陸上のスポーツとは違って、水の競技ならでは、大変なところがあります。

我々カメラマンは大抵の場合、プールの横側から写します。例えば、8コース側に陣取ると、1コースの選手を撮るのはまず無理です。遠すぎますし、水しぶきが邪魔して選手をつかまえきれません。従って、1コース側にもカメラマンを置いて、トータル4~5名で撮影することとなります。だからといって、これで万全ではなく、1カメラマンあたり2~3人の選手をマークすることになりますので、絶対的な集中力が必要となってきます。

水泳競技の写真は、水中から顔を上げている瞬間が絶好のタイミング。平泳ぎやバタフライは比較的水面から顔を出してくれるのでそうでもないのですが、自由形はやっかいです。息継ぎするときの顔がカメラと反対向きだったり、動かしている手が顔に重なったりします。しかも50mのレースだと息継ぎも少ないです。背泳ぎはバサロスタートがあって潜っている距離は長いのですが、泳いでいるときはずっと顔が見えているので自由形ほど難しくはありません。だけどこれは仕方がないことで、こちらが工夫していれば良いことです。

しかし、それ以外の不可抗力もあります。プールサイドを歩きながら泳ぎを見ている係員さんが、選手と重なるときがあるのです。これに関しては、係員さんも含めてレースの一部ですから、仕方のないことです。だからこそ、バシッと決まったときの喜びはひとしお。難しいがゆえに、やりがいを強く感じます。

カメラマンの仕事は泳ぐところを撮るだけではありません。レース後の着順やタイムが映し出された電光掲示板を写すこともします。ここで一つ注意しなくてはならないのが、選手と電光掲示板を同じカメラで撮らないということ。

競技を撮るときのカメラ設定で電光掲示板を撮ると、仕上がりが暗くてよく分からないのです。従って、静物撮影用のカメラをもう一台首にかけて撮影することになります。

実は私自身、自転車競技の元国体選手で撮られる側の人間でした。現役時代に最高の自分を残してくれたカメラマンには大変感謝しています。60歳を超えた今でもその写真を部屋に飾っています。ですので、選手時代の経験から、選手がどういう写真を撮ってほしいのか分かっているつもりです。

あと何年できるか分かりませんが、あのときの恩返しのつもりで、選手たちの最高の瞬間をこれからも撮り続けたいと思います。

(文責:ライター金子塾 滝沢)

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