プロカメラマンの撮影秘話 牧野カメラマン

2014年10月1日 水曜日
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11月は富山県で『扇状地マラソン IN にゅうぜん』があります。もうすぐですね。今年行くことになれば、4回目の撮影となります。
今回、お話ししたいのはこのマラソン大会についてです。
私が現地に到着するのは当日の朝、6時30分ぐらい。車を駐車場に停めて、まず行うことはコースの下見です。どこで撮影すれば良い写真を撮れるか。そのポイントを探すのです。そのときに重要視しているのは二つ。
一つ目は、現地らしさが分かるところ。パッと写真を見ただけで入善町だと認識できる場所で撮影したいと思っています。山並みがきれいな地域なので、そういうビュースポットを毎回探しています。
 
二つ目は、選手一人一人を撮影できる場所であること。スタート地点から近いと、ランナーたちが密集しているので、顔が重なってしまいます。そうなると写真がうるさいので避けたいですね。
自分としては10km過ぎから残り3km付近がベスト。選手が完全にバラけるので、一人一人きちんと写すことができます。また、この間の距離は、選手たちの疲労が最も出るところでもあります。そこで頑張って走っている写真は、その人にとって一生の思い出になるのではないでしょうか。
 
コースの中で、私の好きな撮影スポットが一つあります。最後に競技場へ戻ってきて、ゲートに入ってきた瞬間のところです。選手の帰りを待っている家族がここで出迎えて、少しだけ併走するんですね。選手として走るお父さんといっしょに、奥さんやお子さんが走る光景は本当に感動的です。絶対に残してあげたいシーンです。
 
私は選手たちに声掛けをよくします。
「頑張ってくださーい」「もう少しですよー」
ランナーもカメラマンの前だと、気持ちを振り絞って走ってくれます。「ありがとう」「頑張るよ」なんて言ってくれる選手もいます。
みんな何事もないように走り去っていきます。しかし、実際は様々な思いを胸に秘めているのだと思います。この日が初レースで絶対に完走したいと思っている人。これが引退レースで感謝の気持ちを抱きながら走っている人など。
選手が背負っているものを想像すると、こちら側が手を抜くことなどできません。人生の貴重な一ページとなるベストショットを撮影して届けてあげたいですよね。
 
参加したランナーはカメラマンから元気をもらったと言って、感謝してくれます。だけど本当は逆です。私が選手から元気と勇気をいただき、素敵な写真を撮らせてもらっているのです。むしろ、ありがとうを言いたいのは私のほうなんです。
 
『扇状地マラソン IN にゅうぜん』はもう間近。すばらしい写真をまた撮らせてください。
 
(文責:ライター金子塾 滝沢)

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