音楽は音を楽しむこと。生徒たちの楽しい写真を残したい!/新井哲治カメラマンの撮影秘話

2015年1月7日 水曜日
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 フォトクリエイトでは、私は中高生たちの吹奏楽演奏会を撮影することが多いです。演奏会には2種類あり、コンテストと定期演奏会に分類することができます。

 

 コンテストとはご存じのとおり順位を決める大会で、地区、全国と繋がっていくものです。定期演奏会は保護者の方々や地域の人たちに向けて開かれる感謝祭とでも言えばいいでしょうか。この2つは明らかに別のもの。演奏者や会場の雰囲気だけでなく、撮影する我々の気持ちまでもが違ってくるのです。

 

 コンテストは「撮影場所はここ」と指定されて動くことはできません。全景写真はもちろん、個人に寄った写真も望遠レンズを駆使してそこで撮影することとなります。また、シャッター音が出ないように工夫もしなくてはいけません。「とにかく静かに」が重要なのです。この状況で出来上がる写真は緊張感のあるものが多くなります。

 

 反対に定期演奏会は自由です。楽屋裏にも入ることが可能ですし、リハーサル風景を撮影することもできます。だからといって何をしても良いとうわけではなく、こういう気軽な場所だからこそ、最初の挨拶が大切なのです。

楽屋裏へ行けば、生徒たちは一生懸命に練習をしていますから、ガサツに入っていき撮りたいものを撮るという感覚ではいけません。きちんと挨拶をして顔を覚えてもらい、「害のない人間だよ」と思ってもらう必要があるのです。

 リハーサルもありがたいことに、同じステージに上がることができます。生徒たちを間近で撮影できるとあって、気持ちが前のめりになりがち。でもそこは邪魔にならないように冷静になって撮影することを心がけています。

 

 定期演奏会はどの学校も独創的。クラシック、ポップス、演劇、ダンスなど、趣向を凝らしたものばかりで、仕事を忘れてしまうぐらい楽しいです。カメラマンがその場を楽しまないと、良い写真は撮れないという格言もありますから、素直にそうしています(笑)。

もちろん楽(たの)しむことと楽(らく)することは別なので、仕事はしっかりとさせていただいています。

 

 撮影するときの一番の注意点は、人物に寄ったときに顔だけにズームしないこと。真剣な表情はそれだけで絵になりますが、被写体は演奏しているわけです。楽器を入れないと、よく分からない写真になってしまいます。フルートやトロンボーンは口で吹くので、ある程度顔に寄ることができますが、打楽器はどうしても膝ぐらいまでが限界だと考えています。

 

 演奏会後、生徒たちのやり切った表情には感動すら覚えます。最後はロビーで来場したお客様に対して生徒たちがお礼の挨拶をし、その場で集合写真を撮影して終了となります。

 

 音楽とは音を楽しむこと。私が最も写真に残したいのは生徒たちが楽しんでいるところです。笑顔です。楽しさが伝わる写真が演奏会では最も良い写真だと思っています。

 これからも、そんな写真を残すことができるように演奏会を撮影し続けたいと思います。

 

(文責:ライター金子塾 滝沢)

 

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