チームへの言葉は息子へのアドバイス

2015年1月14日 水曜日
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 昨年秋にラグビークラブのコーチとなったT.Mさん。チームは幼児から中学生、大人の女性までいて、500~600人が所属している。

 T.Mさんは幼児たちを教えることになった。自身は現役社会人プレーヤーとして、40歳まで活躍し、2年前に引退した。コーチを始めるきっかけとなったのは、周辺のラグビースクールを候補に挙げ見学した際に現役時代のチームメートや高校時代の後輩がこのチームでコーチをしていたという縁だった。

しかし、教えるにあたり、すんなり受け入れたわけではなかった。

「幼児のカテゴリーには40人ぐらいの子どもたちがいるんですが、うちの息子も所属しているんです。私がコーチになると特別扱いできなくなります。息子のビデオを撮ることもできなくなってしまいます」

 それでもラグビーへの情熱がコーチ就任を決心させた。

「チームの子たちには、うまくなってほしいというより、ラグビーを好きになってほしいと思っています。私がいつも言っているのは、みんなでボールを動かしてみんなでトライを狙っていこうということです。そのために、ボールとボールを持っている人をいつも見ようと言っています」

 

 就任して間もなく、11月3日に『秋季東京都ミニラグビー交流会』が行われた。東京都だけでなく、隣県からもチームが集まり、1チームあたり2試合の交流試合をするという形式だった。

 1学年40人いるチームの当日の参加は20名あまり。個人のレベル関係なしに3つのチームに分類された。T.Mさんが担当するチームには偶然にも息子さんが入った。

「うちは1分け1敗という成績でした。息子はトライも獲ったし、良かったと思います。相手を抜いたところをフォトクリさんが撮影してくれましたが、印象深いシーンでした」

 息子さんのことになると淡々としてしまうT.Mさん。指導者としては仕方ないことだ。特別扱いできない――。しかし逆に言えば、チームに投げ掛ける言葉は、そのまま息子さんにも当てはまる。

 T.Mさんは、この年代において勝ち負けに一喜一憂するのはあまり意味のないことだと語る。

「半年生まれが違うだけで体の大きさがまったく変わりますからね。それが勝敗にも大きく左右します。幼児だからこそ、まずは楽しくプレーすること。そして挨拶や礼儀などの規律。そして考えてプレーすることやチームワークを大切にすることが重要だと、私は思っています」

 

 2015年になり、T.Mさんにとってはコーチとして本格的な一年を迎える。息子さんは4月から小学1年生に進学するが、T.Mさんも小学校低学年のコーチとして継続する。

「息子にはこれからも楽しくラグビーをやってもらいたいです。私も指導者としては新米なので、一生懸命頑張りたいと思います」

 

 教える側になってからの新たなラグビー人生。カテゴリーが一段上がる息子さんともども充実した一年を過ごしてほしい。

 

(文責:ライター金子塾 滝沢)

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