選手の立場になって/鈴木 優太カメラマンの撮影秘話

2015年3月4日 水曜日
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春の訪れはトレイルランシーズン到来でもあります。私自身、趣味でトレイルランをやっていますし、カメラマンとして大会にお邪魔することも多々ありますので、『いよいよだ!』という思いです。

今回はトレイルランの撮影についてお話ししたいと思います。

 

 撮影場所は山の中。どこで撮ろうが基本的に自由ですが、いい写真を撮ろうと思えばそれではいけません。まず、選手が木の根っこなどでつまずきやすいところはNGです。足下が悪い場所では、選手たちは下を向いて走っているので顔が分からないのです。

 下り坂も撮影には不向き。スピードが出てしまうので、選手はやっぱり目線を下にして走ってしまいます。

 木々の陰など、選手から見えづらい場所も適しません。主催者は安全確保に細心の注意を払っているとはいえ、山の中ですから何が起こるか分かりません。動物もいます。選手は危険を頭の片隅に入れながら走っているので、不意にカメラマンの姿を発見して驚かせてしまっては、彼らのリズムを乱しかねないのです。

 

 

私は撮影ポジションを決めるとき、現地に着いてからでは遅いと思っています。前日までに地図でコースを調べ、このあたりにしようと目星をつけています。そうしないと、広いコースにおいて、ベストポジションを探し出すことができません。

 さらに、当日、ポイントを決めたら、50mほど実際に走ってみることにしています。足下を確かめ、選手とカメラマンの距離間やランナーからの見通しの良さなどを確認するのです。自分も大会に出場するので、選手の立場になってカメラマンの位置をチェックするわけです。そして問題なしとなれば、カメラのセッティングを開始します。

競技中、選手が見えてきたら、『頑張れ』と声をかけます。近づいてからよりも、遠くから声をかけたほうが、選手たちに安心感を与えます。トレイルランはマラソンとは違い、かたまって走ることがほとんどありません。バラバラの状態なので、気持ちが心細くなりがち。そういう中ですから、人の声が聞こえるとありがたく感じられて、表情もニコニコするのです。

『頑張れ』の言葉の裏には、『エンジョイしてください』という気持ちがいつもあります。私自身、山を走っていると自然のエネルギーをもらえるようで楽しいです。選手たちはポジティブな気持ちで走っているとは思うのですが、中にはつらそうにしている方もいるので、ついついそんなことを念じてしまいます。

 

ここ数年は大会に出るより、撮る機会が増えています。私は山が好きなので、どちらもおもしろいです。

選手のみなさん、これからも楽しみながら走ってください。私はその姿に元気をいただいています!

(文責:ライター金子塾 滝沢)

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